エスプリングソーシャルキャピタル人事コラム「Hot e Spring」は、人事職に関わらず、様々な職種の方が見ても役立つ人の成長に関する情報をお届けするコラムです。
そういった想いから、タイトルを「Hot e Spring(ほっと+エスプリング)」といたしました。
専門的・学術的な知見に基づいたものから、個人的な話を通じて教訓を得るようなものまで、 様々なお話を取り揃えております。

終り良ければ全て良し(幸せってなんだろう?と感じたときに)

厳しい冬が明けてようやく春になってきました。
この3月は年度の最終月であったり、卒業や終業式などの終わりの月でもありますね。
「終わり良ければ全て良し」=「有終の美を飾りましょう」と、如何にも日本的な発想だなぁと思って調べてみると、私にとっては意外だったのですが、実は「終り良ければすべて良し」とは、シェイクスピアの戯曲の題名が由来なのですね。
最後が良ければ、今までの辛かったことや嫌だったことも、みんな忘れて、とてもハッピーじゃないか、という感じは古今東西、変わらないのかもしれません。

例えば、今まで継子いじめにあっていた不幸せなシンデレラが、ガラスの靴のおかげで最後には王子様と結ばれて幸せになる、とか、毒リンゴで永遠の眠りについていた白雪姫が、最後は王子様のキッスで目覚めて幸せになるとか、ハッピーエンドは童話の世界で多いのではないでしょうか。
一方、最後が悲惨な結果になって、何か物寂しい昔話もありますね。

例えば、なに不自由なく幸せに過ごしていたけれど、最後は翁たちを残して月の世界に帰っていくかぐや姫とか、竜宮城で飲めや歌えの幸せな毎日を送っていた浦島太郎が、帰ってきて玉手箱を開けて老人になってしまう、とか。
物語の印象は、最後の終わり方、ラストシーンで決定付けられるような気がします。

実は、心理学によると、人の幸せの感じ方も似たような現象があるようです。
あるイベントや特定の出来事に対する人の幸せの感じ方は、終わりの方で感じる印象(記憶)の度合いで決定付けられることが多いようです。

例を使って考えてみましょう。あなたはどう感じますか?
あなたが10日間のお休みを取って、常夏の島に渡って、経験したことのない素晴らしい景色を見たり、食事をしたり、とても素敵な経験をしてきたとします。

10日間の夢のような素晴らしい経験を終えて、帰国のために空港で飛行機の搭乗手続きをしていました。
そのとき、あなたは運悪く、盗難にあってしまい、お土産なども含む多くの荷物を失ってしまったとします。
さてどうでしょう。
何とか帰国をしたあなたの旅行の印象は如何なものでしょうか?
おそらく、10日間の常夏の島の夢のような経験の印象よりも、最後の盗難という嫌な記憶に大きく影響されるのではないでしょうか?
逆に、出発の時に同じような盗難にあったときはどうでしょう。
(この場合、パスポートやクレジットは何とか無事で旅行にはいくことができて、旅先で少し不自由はするけど最後は楽しかったとします)

心理学によると、人間の心は、幸せを経験している量(例えば、時間の長さ)よりも、幸せの記憶の大きさ、特に最後の方で感じる幸せの印象の度合いで、その出来事の良し悪しを評価するように出来ているようです。

どうやら、「終り良ければすべて良し」というのは、単なることわざや物語の世界だけではなく、実社会でも使えるありがたい教えのようです。
この現象は、他にも応用できそうですね。
例えば、仕事に関わるイベント事を考えるとき、友人や家族との行事を実施するときなど、いろいろと使えそうです。

4月から新入生や新社会人として、新たな出発をする方も多いと思います。
残り少ない3月、ぜひ「終り良ければすべて良し」の精神で、今までの素敵な経験を、素晴らしい思い出にして頂きたいものです。

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